【楽しむ|第3回】

和歌山へ移住して、少しずつ変わったことがあります。
それは、
「海へ行く」という感覚です。
以前の私にとって海は、どちらかというと「出かける場所」でした。
予定を立てて、時間をつくって、海を目的に出かける。
ところが和歌山市で暮らしていると、海との距離感がずいぶん違います。
「天気がいいから、ちょっと海を見に行こうか」
そんな一言で出かけられる。
海が特別な目的地ではなく、日常の中にある場所になってきました。
和歌山市は「海のある街」なんだと実感する
地図を見れば、和歌山市が海に面していることは誰でも分かります。
でも、
地図で見るのと、実際に暮らすのとでは全然違いました。
市街地で普通に生活していても、車を少し走らせれば海の景色に出会えます。
和歌浦。
片男波。
雑賀崎。
加太。
それぞれ雰囲気が違います。
今日はどこへ行こうか。
その日の気分で選べるくらい、海が身近にあります。
「海を見るだけ」で出かけてもいい
海へ行くというと、
海水浴をする。
釣りをする。
マリンスポーツをする。
そんな目的を思い浮かべるかもしれません。
でも、住んでいるともっと気軽です。
海を見るだけ。
それでもいいのです。
車を止めて少し歩く。
潮の匂いを感じる。
波を見る。
ぼんやり水平線を眺める。
そして帰る。
何をしたわけでもありません。
でも、不思議と気分が変わります。
50代になった今は、こういう時間が以前より心地よく感じるようになりました。
朝の海と夕方の海は、まったく違う
同じ海でも、時間によって雰囲気が変わります。
朝の海は静かです。
空気も少し違います。
一方、夕方になると景色が変わります。
日が傾いて、空と海の色が少しずつ変化していく。
特に天気のいい日は、
「今日は夕日を見に行こうか」
というだけで、ちょっとした予定になります。
旅行なら、夕日を見るために有名なスポットを調べるかもしれません。
でも暮らしていれば、
「今日、きれいそうだから行ってみよう」
でいい。
これは住んでいる人の特権かもしれません。
和歌浦・片男波は「ちょっと海へ」にちょうどいい
海を感じたいときに出かけやすい場所のひとつが、和歌浦周辺です。
海を眺めながら歩いたり、周辺をゆっくり散策したり。
片男波方面まで行けば、砂浜の景色も楽しめます。
ここで一日過ごさなくてもいいのです。
午前中に用事を済ませる。
昼ごはんを食べる。
午後から海へ行く。
少し歩いて帰る。
そんな使い方ができます。
「半日もいらない。1〜2時間だけ海へ。」
こういう休日ができることが、暮らしてみると意外に贅沢です。
雑賀崎は、また違う和歌山を見せてくれる
少し雰囲気を変えたい日は雑賀崎へ。
海だけではなく、斜面に広がる街並みや漁港の風景もあって、和歌山市中心部とはまったく違う空気があります。
細い道も多いので、最初は少し驚きました。
でも、それも含めて面白い。
「同じ和歌山市なのに、こんな場所があるんだ」
移住してから、そんな発見が何度もありました。
観光地を一度訪れて終わりではありません。
季節を変えて行く。
時間を変えて行く。
何度も訪れるうちに、少しずつ自分たちの好きな場所になっていきます。
加太まで行けば、ちょっとした小旅行になる
もう少し時間がある日は加太へ。
ここまで来ると、
「今日はちょっと出かけたな」
という気分になります。
海を見るだけでもいい。
周辺を歩いてもいい。
魚を食べることを目的にしてもいい。
帰り道に気になる店へ寄るのもいい。
でも、一泊旅行をするほどの準備はいりません。
朝に思いついて出発して、夕方には自宅へ。
この**「日常と旅行の間」くらいの距離感**が、とても使いやすいのです。
海+ランチだけで休日になる
私たちが気に入っているのが、
海+ランチ
という組み合わせです。
まず美味しいものを食べる。
そのあと海まで車を走らせる。
あるいは先に海を見て、そのあと店を探す。
それだけです。
大きな予定はありません。
でも、
「今日はいい休日だったな」
と思えます。
50代になると、朝から晩まで予定を詰め込むより、これくらい余白のある休日のほうが心地よくなってきました。
海の近くに住む必要はない
移住を考えている人には、ここも伝えておきたいところです。
「海のある暮らし」に憧れると、
海の目の前に住まなければいけない
と思うかもしれません。
でも、実際に和歌山市で暮らしてみると、必ずしもそうではないと感じます。
普段の買い物や病院などを考えると、市街地で生活する便利さもあります。
そして、
「見たくなったら海へ行ける」
という距離でも十分に海のある暮らしを楽しめます。
毎朝、窓から海が見える生活だけが「海のある暮らし」ではないのです。
海が近くても、毎日行くわけではない
そして、実際に暮らしてみて分かったことがもうひとつ。
海が近くなったからといって、毎週必ず海へ行くわけではありません。
行かない週もあります。
一か月近く行かないことだってあります。
でも、
「行こうと思えば行ける」
これが大きいのです。
天気がいい。
少し時間が空いた。
気分転換したい。
そんなときの選択肢に、いつも「海」があります。
この安心感のようなものは、住んでみるまで分かりませんでした。
50代からは「何をするか」より「どう過ごすか」
若い頃は休日になると、
どこへ行くか。
何をするか。
何を見るか。
そんなことを考えていました。
今は少し変わりました。
どんな時間を過ごしたいか。
こちらのほうが大事になってきた気がします。
ゆっくりしたいなら海へ。
少し歩きたいなら海岸へ。
美味しいものを食べたいなら、そのついでに海へ。
何もしなくてもいい。
ただ海を眺めるだけでもいい。
そう思えるようになりました。
住んでわかった、和歌山。
和歌山の海は、有名な観光地だけではありません。
暮らしている人にとっては、
「ちょっと気分転換に行ける場所」
でもあります。
海を見に行くために、旅行の計画を立てなくてもいい。
天気を見て、
「今日、海行く?」
それだけで出かけられる。
移住する前には、それほど重要だと思っていませんでした。
でも実際に暮らしてみると、この距離感がとても心地いい。
海が見える暮らしではなく、海へ行ける暮らし。
私たちには、それくらいがちょうどいいのかもしれません。
次回は、
「和歌山は温泉も身近!日帰り温泉を休日の楽しみにする暮らし」
について書いてみたいと思います。



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