【移動する|第1回】
「和歌山に住む」と話したとき、よく言われたのが、
「大阪から遠くない?」
という言葉でした。
私自身、58歳で和歌山へ移住するまでは、どこか「和歌山は大阪のさらに向こう」という感覚がありました。
大阪から日帰りで遊びに行く場所というより、ちょっとした旅行先。
そんなイメージです。
でも、実際に和歌山市で暮らし、大阪との間を何度も行き来するようになると、その感覚はかなり変わりました。
結論から言うと、
「思っていたより近い。でも、大阪と同じ感覚ではない」
これが、実際に暮らしてみて感じている距離感です。
電車なら「大阪へ行く」は十分現実的
和歌山市から大阪方面へは、JRと南海電鉄の両方が使えます。
行き先や住んでいる場所によって使い分けられるのは、和歌山市で暮らしてみて便利だと感じたところです。
大阪の中心部まで、おおむね1時間台。
もちろん乗る電車や目的地によって時間は変わりますが、「朝から気合を入れて出発しなければならない」という距離ではありません。
大阪で買い物をしたり、友人に会ったり、イベントへ行ったり。
「今日は大阪へ行こうか」と思えば、普通に予定に入れられます。
移住する前に想像していたよりも、大阪はずっと生活圏に近い存在でした。
それでも「ちょっと梅田まで」とは違う
一方で、大阪市内に住んでいた頃とまったく同じかというと、やはり違います。
大阪に住んでいれば、
「夕方から梅田へ行こう」
「ちょっと難波まで買い物に」
という動き方もできます。
和歌山からだと、そこには少しだけ「出かける」という意識が必要です。
電車の時間を確認する。
帰りの時間も少し考える。
荷物が多くなりそうなら車にしようか、と考える。
このほんの少しの距離感があります。
でも、私はこの距離が意外と嫌いではありません。
大阪が遠すぎないから必要なときには行ける。
でも、普段は大阪の人の多さや慌ただしさから離れて暮らせる。
この「近すぎず、遠すぎず」が、和歌山暮らしの良さの一つだと感じています。
車で大阪へ行くと、また感覚が変わる

和歌山で暮らしていると、電車だけでなく車で大阪へ行く機会も増えます。
阪和自動車道を使えば、大阪方面への移動は思っていた以上にスムーズです。
特に車のいいところは、荷物を気にしなくていいこと。
買い物をたくさんしても大丈夫ですし、家族で移動するときも便利です。
大阪南部であれば、さらに近く感じます。
泉南やりんくう方面は、和歌山市から見ると「大阪へ大旅行」という感覚ではありません。
大型商業施設へ買い物に行くこともできます。
逆に大阪側から和歌山へ来る人にとっても、想像しているほど遠い場所ではないと思います。
ただし、渋滞は考えておいたほうがいい
車移動には注意点もあります。
道路が空いているときと、混雑しているときでは、所要時間の感覚がかなり違います。
特に休日や連休、時間帯によっては阪和道や大阪市内で渋滞することがあります。
「1時間くらいで着くだろう」と思っていたら、予想以上に時間がかかることも。
これは大阪へ車で出かけるようになってから分かったことでした。
ですから今は、
大阪へ行く目的によって、電車と車を使い分ける
ようになりました。
中心部へ行くなら電車。
荷物が多い買い物や、大阪南部へ行くなら車。
そんな使い分けができると、かなり楽です。
和歌山へ移住したら、大阪と縁が切れるわけではない
地方移住というと、
「都会を離れて、まったく違う生活を始める」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
私も少しそう思っていました。
でも、和歌山市の場合は違いました。
普段は和歌山で暮らしながら、必要なときには大阪へ行く。
大阪の百貨店へ行くこともできる。
コンサートや観劇にも行ける。
大阪にいる友人とも会える。
そして用事が終われば、和歌山へ帰ってくる。
この生活を続けていると、
「大阪を捨てて和歌山へ移住した」という感覚ではなくなりました。
むしろ、
「大阪も使える場所に住みながら、普段は和歌山で暮らしている」
という感覚に近いのです。
50代からは「毎日都会にいる必要があるのか」を考える
若い頃は、何でも近くにあることが便利だと思っていました。
店が多い。
電車が多い。
人が多い。
仕事も多い。
確かに都会には便利さがあります。
でも50代になってくると、少し考え方が変わりました。
毎日すべてが近くになくてもいい。
必要なときに行ければ十分なものもあります。
大阪へ毎日行く必要はない。
でも、ときどき行きたい。
その「ときどき」が無理なくできる距離に和歌山があります。
これは、実際に暮らして初めて分かったことでした。
「都会か地方か」の二択ではなかった
移住を考えていると、
都会に住むか、地方に住むか。
そんな二択で考えてしまいがちです。
でも和歌山市で暮らしていると、その中間もあるのだと感じます。
普段は海や山が近い和歌山で暮らす。
車で少し走れば自然があります。
街中の渋滞や人混みも、大阪ほどではありません。
それでいて、必要なら大阪へ行ける。
この距離感は、50代からの暮らしを考えるうえで、意外と大きなメリットなのかもしれません。
住んでわかった、和歌山。
大阪から和歌山は遠いのか。
移住前の私なら、
「ちょっと遠いかな」
と答えていたと思います。
今なら、
「思っているほど遠くないよ」
と答えます。
ただし、大阪の隣町のような感覚ではありません。
少しだけ距離がある。
だからこそ、和歌山へ戻ってきたときに空気が変わるのを感じます。
大阪へ行ける便利さと、都会から少し離れて暮らせる心地よさ。
その両方を持てるのが、和歌山市の面白いところです。
海も、街も、ちょうどいい。
和歌山へ移住してから、その言葉の意味が少しずつ分かってきました。



コメント