【50代からの和歌山暮らし|第5回】

50代になると、夫婦の暮らしが少し変わってきます。
子どもがいる家庭なら、子育てが一段落する。
仕事も、若い頃ほど「仕事だけ」ではなくなってくる。
そして気づけば、
夫婦二人で過ごす時間が増えている。
和歌山へ移住して、このことを以前より感じるようになりました。
移住というと、
海の近くで暮らす。
自然を楽しむ。
のんびり過ごす。
そんな話が多いのですが、実際に暮らしてみると、もう一つ大きく変わるものがあります。
それが、
「誰と、どう過ごすか」
でした。
- 50代になって、また「二人」に戻ってくる
- 移住すると、二人で出かけることが増えた
- 会話も少し変わった
- ただし「ずっと一緒」は、それなりに難しい
- 一人の時間があるから、二人の時間も楽しい
- 移住先では「夫婦だけの世界」になりすぎないことも大切
- 50代になると「老後の予行演習」が始まっている
- 「定年したら旅行しよう」だけでは足りない
- 和歌山は「普通の日」を楽しみやすい
- ただ、夫婦で「移住したい理由」が違うこともある
- お金の使い方も、二人で確認しておきたい
- 「どちらかが先に動けなくなる」ことも考える
- 「二人で暮らしやすい場所」は「一人でも暮らせる場所」
- 50代から、もう一度「夫婦の暮らし」を作る
- 50代からは「特別な日」より「普通の日」
50代になって、また「二人」に戻ってくる
結婚した頃は二人だったのに、仕事や子育てが始まると生活の中心は変わっていきます。
朝は仕事へ行く。
帰宅する。
食事をする。
休日は家の用事をする。
子どもの予定もある。
気がつけば、
夫婦でゆっくり話す時間は意外と少なくなっています。
ところが50代になると、少しずつ状況が変わります。
そして、
「これから先、この人とどう暮らしていくんだろう」
ということが、急に現実味を帯びてきます。
移住すると、二人で出かけることが増えた
和歌山で暮らしていると、
「ちょっと行ってみようか」
ということが増えました。
海を見に行く。
魚を食べに行く。
道の駅へ行く。
果物を買いに行く。
気になる店へ行ってみる。
特別な旅行ではありません。
朝に思いついて、そのまま車で出かけるくらいです。
でも、こういう小さな外出が意外と楽しい。
目的地そのものより、二人で出かけることが休日になった。
そんな感じがします。
会話も少し変わった
若い頃の夫婦の会話は、
仕事。
子ども。
学校。
お金。
家のこと。
そんな「用事の話」が多かったように思います。
50代になると、少し違います。
「あそこ行ってみる?」
「あの店、おいしいらしいよ」
「今度は南のほうへ行ってみようか」
「ここに住んだらどうだろう」
そんな話が増えてきます。
和歌山という知らない土地へ移ったことで、
二人とも知らないものを一緒に見つける機会が増えた。
これは移住して良かったことの一つかもしれません。
ただし「ずっと一緒」は、それなりに難しい
ここは、きれいごとだけではありません。
夫婦二人の時間が増えれば、楽しいことばかりではありません。
一人になりたいときもあります。
見たいテレビも違う。
行きたい場所も違う。
休日の過ごし方も違う。
片方は出かけたい。
片方は家にいたい。
そんな日は普通にあります。
だから、
「夫婦だから何でも一緒にする」必要はない
と思うようになりました。
一人の時間があるから、二人の時間も楽しい
例えば休日。
一緒に出かける日もある。
それぞれ好きなことをする日もある。
片方だけ買い物へ行く日もある。
一人でぼーっとする時間もある。
そのくらいの距離感のほうが、50代からは心地いいのかもしれません。
夫婦二人になったからといって、
24時間ずっと一緒にいる必要はありません。
むしろ、
それぞれの世界を持ちながら、ときどき一緒に楽しむ。
そんな関係のほうが長く続きそうな気がします。
移住先では「夫婦だけの世界」になりすぎないことも大切
移住すると、それまでの友人や知人と距離ができます。
最初は知っている人も少ない。
すると、どうしても夫婦で過ごす時間が増えます。
これは安心でもあります。
でも一方で、
何でも夫婦だけで完結してしまうと、少し窮屈になるかもしれません。
仕事のつながり。
近所の人。
趣味の仲間。
行きつけのお店。
地域とのつながり。
少しずつでも、
「夫婦以外の居場所」を作ることも大切
なのだと思います。
50代になると「老後の予行演習」が始まっている
50代の今は、まだ仕事があります。
朝起きて仕事へ行き、帰ってくる。
だから夫婦が一日中一緒にいるわけではありません。
でも、いつか仕事を辞める日が来ます。
そのとき、
朝から晩まで二人。
月曜日も二人。
火曜日も二人。
水曜日も二人。
そう考えると、
50代は老後の夫婦生活の予行演習が始まる時期
なのかもしれません。
「定年したら旅行しよう」だけでは足りない
老後について話すと、
「定年したら旅行したいね」
という話になりがちです。
もちろん旅行も楽しみです。
でも一年365日のうち、旅行へ行く日はそれほど多くありません。
ほとんどは普通の日です。
朝起きる。
朝ごはんを食べる。
買い物へ行く。
昼ごはんを食べる。
夕方になる。
晩ごはんを食べる。
そんな普通の日が何十年も続きます。
だから大切なのは、
旅行を楽しめる夫婦より、普通の日を一緒に過ごせる夫婦なのかもしれません。
和歌山は「普通の日」を楽しみやすい
この点では、和歌山での暮らしは面白いと思います。
今日は特に予定がない。
でも天気がいい。
「ちょっと海でも見に行こうか」
それだけで出かけられます。
帰りに魚を買う。
みかんや桃など、季節の果物を見つける。
気になる店で昼ごはんを食べる。
夕方には帰ってくる。
大きなイベントではありません。
でも、
こういう小さな楽しみが普通の生活の中にある。
50代からの夫婦には、案外こういう暮らしが合うのかもしれません。
ただ、夫婦で「移住したい理由」が違うこともある
これは移住前に話しておいたほうがいいと思います。
夫は、
「自然の近くでのんびり暮らしたい」
と思っている。
妻は、
「買い物や病院が便利な場所がいい」
と思っている。
あるいは逆かもしれません。
片方は田舎暮らしを想像している。
もう片方は地方都市で便利に暮らしたいと思っている。
同じ「和歌山へ移住したい」でも、中身は全く違います。
だから、
どこへ住みたいかより先に、どんな生活をしたいかを話す。
これはかなり大切だと思います。
お金の使い方も、二人で確認しておきたい
前回、お金の話を書きました。
実は夫婦の暮らしでは、ここも重要です。
一人は、
「老後が心配だから貯めておきたい」
と思っている。
もう一人は、
「元気なうちに旅行へ行こう」
と思っている。
どちらが正しいという話ではありません。
でも、この感覚が大きく違うと、少しずつ不満がたまります。
だから50代になったら、
家にいくら使う?
車は?
旅行は?
何歳まで働く?
老後資金はいくら残したい?
そんな話を一度しておく。
お金の話は、これからどう暮らしたいかという話でもあります。
「どちらかが先に動けなくなる」ことも考える
50代では、まだ二人とも元気かもしれません。
でも10年後、20年後はわかりません。
どちらかが車を運転できなくなるかもしれない。
どちらかが病気になるかもしれない。
介護が必要になる可能性もあります。
そのとき、
この家で暮らせるのか。
病院へ行けるのか。
買い物はできるのか。
一人になっても生活できるのか。
少し寂しい話ではあります。
でも、
50代だからこそ、まだ元気なうちに考えられます。
「二人で暮らしやすい場所」は「一人でも暮らせる場所」
これは移住してから、だんだん気になるようになったことです。
夫婦二人なら、多少不便でも何とかなります。
一人が運転すればいい。
一人が買い物へ行けばいい。
困ったときは助け合える。
でも、いつか一人になる可能性はあります。
だから50代から住む場所を選ぶなら、
二人で楽しい場所だけではなく、一人になっても暮らせる場所。
そんな視点も必要なのだと思います。
スーパー。
病院。
薬局。
公共交通。
人とのつながり。
これらは老後になってから探すより、50代のうちから生活の中にあったほうが安心です。
50代から、もう一度「夫婦の暮らし」を作る
若い頃は、
結婚する。
家を買う。
子どもを育てる。
仕事をする。
目の前のことに追われていました。
50代になると、それが少しずつ落ち着いてきます。
そこで初めて、
「これから二人で、どう暮らしたい?」
と考える時間ができます。
都会に住み続けるのもいい。
和歌山へ移住するのもいい。
もっと田舎へ行くのもいい。
大切なのは場所そのものではなく、
二人がどんな毎日を送りたいのか。
和歌山への移住は、私にとってそれを考えるきっかけにもなりました。
50代からは「特別な日」より「普通の日」
夫婦で豪華な旅行へ行く。
記念日にいい店で食事をする。
もちろん、それも楽しい。
でも50代から先、本当に多いのは普通の日です。
朝、
「今日はどうする?」
と話す。
昼ごはんを食べる。
買い物へ行く。
少し出かける。
家へ帰る。
そんな何でもない一日を、
「まあ、今日も悪くなかったね」
と思える。
それくらいの暮らしが、実は一番贅沢なのかもしれません。
和歌山へ移住して、そんなことを少し考えるようになりました。
次回は、50代になると避けて通れない、もう一つの現実的なテーマです。
【50代からの和歌山暮らし|第6回】
50代から気になり始めた「健康」|病院・薬局・老後まで考える
今は元気。
でも10年後も同じとは限りません。
移住先を選ぶとき、海や山、家の値段だけでなく、
「病気になっても、この街で暮らせるか」
という視点も必要になってきます。
次回は、50代からの「健康と医療」を暮らす側の目線から考えてみます。



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