【50代からの和歌山暮らし|第3回】

「和歌山で暮らしてみたい」
そう思ったとき、50代なら避けて通れない問題があります。
仕事、どうする?
20代や30代なら、
「とりあえず移住して、仕事は向こうで探そう」
という選択もできるかもしれません。
でも50代になると、そう簡単ではありません。
住宅ローンが残っているかもしれない。
親のこともある。
子どもにお金がかかる人もいる。
そして、自分たちの老後資金も準備しなければならない。
だから50代の移住では、
「和歌山で仕事が見つかるか」だけではなく、「これから何歳まで、どう働くか」
まで考えておく必要があります。
「地方なら生活費が安いから大丈夫」とは限らない
地方移住について調べていると、
「地方は生活費が安い」
という言葉をよく見かけます。
確かに、住宅費については都会より抑えられる場合があります。
でも、実際に暮らしてみると、それだけではありません。
和歌山では住む場所によって、車が生活の重要な足になります。
車を買う。
ガソリンを入れる。
自動車保険に入る。
車検を受ける。
税金を払う。
タイヤやバッテリーも交換する。
夫婦それぞれが車を使うなら、2台必要になることもあります。
つまり、
家賃が安くなった分が、そのまま生活費の節約になるとは限りません。
移住前には、収入と支出をセットで考えておいたほうがいいと思います。
50代の転職は「年収」だけでは決められない
転職を考えると、どうしても今の年収と比べます。
今より50万円下がる。
100万円下がる。
200万円下がる。
数字を見ると不安になります。
もちろん、収入は大切です。
でも50代からは、年収以外の条件もかなり重要になってきます。
通勤に何時間かかるのか。
残業は多いのか。
休日は取れるのか。
体力的に続けられるのか。
そして、
何歳まで働けるのか。
例えば年収が少し下がっても、
通勤時間が短くなった。
休日が増えた。
住宅費が下がった。
65歳、70歳になっても働けそうだ。
そう考えると、単純に「収入が下がったから失敗」とは言えません。
50代からは、
年収ではなく、暮らし全体で仕事を見る。
そんな考え方も必要になってくると思います。
「あと何年働くのか」を数字にしてみる
50代の仕事選びで、若い頃と大きく違うところがあります。
それは、働ける時間がある程度見えてくることです。
例えば58歳なら、
60歳まであと2年。
65歳まであと7年。
70歳まで働くならあと12年。
こうして数字にすると、仕事に対する考え方が少し変わります。
若い頃のように、
「この会社で出世しよう」
だけではなく、
「これから10年、無理なく続けられる仕事は何だろう」
という視点が出てきます。
50代の転職では、こちらのほうが重要なのかもしれません。
これまで30年やってきたことは、意外と価値がある
50代になると、
「今さら転職なんてできるのかな」
と思うことがあります。
でも考えてみると、50代には若い頃にはなかったものがあります。
仕事の段取り。
人との付き合い方。
トラブルへの対応。
後輩を教えた経験。
取引先との交渉。
失敗した経験。
専門知識。
資格。
30年近く仕事をしていれば、何かしら身についているものがあります。
ところが本人にとっては、それが当たり前になっている。
だから、
「自分には特別なものなんてない」
と思ってしまいます。
でも移住を考えるときには、一度、
「私は何の仕事をしてきたか」ではなく、「私は何ができるのか」
を書き出してみるといいと思います。
意外なものが、次の仕事につながるかもしれません。
資格や専門職の経験がある人は生かしたい
50代の移住では、資格や専門的な経験が強みになることがあります。
医療。
介護。
建設。
電気。
不動産。
会計。
IT。
調理。
運転。
さまざまな分野があります。
若い人のようにゼロから新しい仕事を始めるのも一つですが、
これまでやってきた仕事を、場所を変えて続ける。
これも立派な移住です。
むしろ50代では、こちらのほうが現実的なケースも多いのではないでしょうか。
「週5日、フルタイム」だけが働き方ではない
50代になると、仕事に対する考え方も少し変わってきます。
週5日フルタイムで働く。
週4日にする。
パートや非常勤で働く。
これまでの経験を生かして副業をする。
小さな仕事をいくつか組み合わせる。
オンラインでできる仕事を持つ。
もちろん、収入が不安定になる可能性もあります。
社会保険や税金について考える必要もあります。
それでも、
「一つの会社から給料をもらう」だけが働き方ではない。
そう考えるだけでも、選択肢は少し広がります。
月5万円でも、10年なら600万円
50代からは、
「いくら稼ぐか」
だけではなく、
「何歳まで収入を作れるか」
も重要だと思います。
例えば60歳以降、フルタイムをやめたとしても、
月5万円の収入があったとします。
年間なら60万円。
5年間なら300万円。
10年間なら600万円です。
もちろん、税金や社会保険などによって実際の手取り額は変わります。
それでも、
少額でも長く働けることは、老後の家計にとって小さくありません。
月20万円をあと2年稼ぐことだけではなく、
月5万円を10年稼ぐ。
そんな考え方も50代からはありだと思います。
大切なのは「年収」より「最後にいくら残るか」
例えば、
都会で年収600万円。
和歌山へ移住して年収500万円。
数字だけを見ると、
「100万円も下がる」
と思います。
でも、それだけでは判断できません。
住宅費はいくらになるのか。
駐車場代は?
車はいくらかかる?
食費は?
外食費は?
通勤費は?
固定資産税は?
そして一年間で、
結局いくら貯金できるのか。
ここまで見なければ、本当のところはわかりません。
年収が高くても支出が多ければ、お金は残りません。
逆に収入が少し下がっても、支出が減れば暮らしに余裕が出ることもあります。
50代で怖いのは「何となく60歳になること」
今の会社で普通に働いていると、毎月給料が入ります。
すると、
「まあ、まだ大丈夫だろう」
と思ってしまいます。
でも一度確認してみたいことがあります。
60歳になったら給料はいくらになるのか。
再雇用はあるのか。
65歳まで働けるのか。
65歳以降はどうするのか。
退職金はいくらくらいなのか。
年金はいくらくらいになりそうなのか。
これを知らないまま60歳を迎えるほうが、私は少し怖いと思います。
移住するかどうかに関係なく、
50代は、一度これからの働き方を考える時期なのかもしれません。
和歌山へ移住する前に、一度計算してみる
50代で移住するなら、勢いだけで仕事を辞めるのは避けたいところです。
できれば移住する前に、
今の仕事を続けられるのか。
和歌山で転職した場合、収入はいくらになりそうか。
自分の資格や経験を生かせる仕事はあるか。
60歳以降も働けるか。
夫婦それぞれ、どのくらい働くのか。
毎月いくらあれば生活できるのか。
このあたりは一度数字にしておきたいと思います。
そして、もう一つ考えたいことがあります。
「本当に今と同じ年収が必要なのか?」
ということです。
「たくさん稼ぐ」から「長く無理なく働く」へ
若い頃は、
もっと給料を上げたい。
もっと上の役職に行きたい。
そう思う時期があります。
でも50代になると、
少し違う考え方が出てきます。
年収は高いけれど、毎日疲れ切ってしまう仕事。
収入は少し下がるけれど、70歳近くまで無理なく続けられる仕事。
どちらが自分に合っているのか。
答えは人によって違います。
ただ50代からは、
「年収を最大にする働き方」から、「暮らしを維持できる働き方」へ。
少しずつ考え方を変えてもいい年代なのかもしれません。
移住は、仕事を捨てることではない
地方移住というと、
会社を辞める。
都会を離れる。
田舎で新しい人生を始める。
そんな大きな決断のように見えます。
でも、そんなに大げさに考えなくてもいいと思います。
今の仕事を続けながら和歌山へ移住する。
転職して移住する。
60歳まではしっかり働く。
その後、勤務日数を減らす。
65歳からは月に数万円だけ働く。
そんな段階的な方法もあります。
50代だからこそ、
勢いで人生を変えるのではなく、計算しながら少しずつ暮らしを変える。
それくらいが、ちょうどいいのではないでしょうか。
そして仕事のことを考え始めると、必ず次の問題にぶつかります。
「結局、老後までにいくらあればいいんだろう?」
住宅にいくら使っていいのか。
車を2台持っても大丈夫なのか。
退職金はどこまで使っていいのか。
年金だけで生活できるのか。
50代からの移住では、ここを曖昧にしたままにはできません。
次回は、
【50代からの和歌山暮らし|第4回】
50代からの和歌山移住、お金はいくら必要?老後まで考えてみた
仕事よりもう一段踏み込んで、50代が一番気になる「お金」の話をしてみます。



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