第4回:薬が増えてきたらどうする?50代から知っておきたい「かかりつけ薬局」の使い方

【医療・健康|第4回】

50代になって、ふと気づくことがあります。

「薬、少し増えてきたな」

若い頃は、風邪をひいたときに数日飲むくらいだった薬。

それが50代になると、

血圧の薬。

コレステロールの薬。

胃薬。

痛み止め。

目薬。

眠れないときの薬。

少しずつ、生活の中に薬が入ってくるようになります。

しかも内科、整形外科、眼科など、受診する病院が増えると、それぞれから薬が処方されることもあります。

そんなとき、意外と頼りになるのが、

「いつも利用する薬局」

です。


薬局は「薬を受け取る場所」だと思っていた

病院へ行く。

診察を受ける。

処方箋をもらう。

薬局へ行く。

薬を受け取る。

以前は、私も薬局というと、この流れの最後にある場所というイメージでした。

でも年齢を重ねて薬が増えてくると、それだけではありません。

むしろ大切なのは、

「自分が飲んでいる薬をまとめて見てもらう場所」

として薬局を使うことです。


病院ごとに薬局を変えていませんか?

例えば、

内科の横にある薬局。

整形外科の横にある薬局。

眼科の近くにある薬局。

病院へ行くたびに、一番近い薬局を利用する。

もちろん、それでも薬は受け取れます。

ただ、病院が増えてくると少し問題が出てきます。

内科から3種類。

整形外科から2種類。

眼科から目薬。

さらに市販の風邪薬やサプリメント。

本人にとっては全部「自分の薬」ですが、医療機関ごとに情報が分かれてしまうことがあります。

だからこそ、

普段利用する薬局をある程度決めておく。

これには意味があります。


「この薬とこの薬、一緒に飲んで大丈夫?」

50代以降になると、こういう疑問が増えてきます。

「整形外科でもらった痛み止めと、内科の薬を一緒に飲んでいい?」

「市販の風邪薬を買いたいけれど、血圧の薬を飲んでいる」

「健康食品を始めたいけれど大丈夫?」

こんなとき、薬剤師に相談できます。

処方された薬だけではありません。

市販薬やサプリメントも含めて相談していい。

これは意外と知られていないかもしれません。

「こんなこと聞いていいのかな」

と思う必要はありません。

薬に関することなら、まず聞いてみる。

そのくらいの使い方でいいと思います。


「薬が余っている」も立派な相談です

家の引き出しを開けたら、

飲み忘れた薬がたくさん出てきた。

こんな経験はありませんか?

「先生に言うと怒られそう」

「薬局へ持っていくのは恥ずかしい」

そう思う人もいるかもしれません。

でも、

薬が余っていること自体が大切な情報です。

朝の薬だけ忘れる。

昼はほとんど飲めない。

種類が多くて分からなくなる。

飲むと調子が悪い気がして自分で中止している。

薬が余る理由によって、対応も変わります。

だから、隠す必要はありません。

「これだけ余っています」

と薬局で相談してみる。

そこから、薬の整理につながることがあります。


薬が多ければ悪い、というわけではない

ここも大切です。

「薬は少ないほうがいい」

と思う人は多いでしょう。

確かに、必要性の低くなった薬や重複している薬などを見直すことは重要です。

でも、

薬が多い=悪い

とは限りません。

病気の状態によっては複数の薬が必要なこともあります。

大切なのは数ではなく、

「今の自分に必要な薬なのか」

ということです。

そのため、自己判断で減らしたり中止したりするのではなく、医師や薬剤師に相談しながら確認することが大切です。


お薬手帳は「持っているだけ」ではもったいない

お薬手帳。

持っている人は多いと思います。

でも、

病院ごとに違う手帳を使っていたり、

家に忘れたり、

古いものと新しいものが何冊もあったり。

これでは、せっかくの情報が分かれてしまいます。

お薬手帳で大切なのは、

自分が使っている薬の情報をできるだけ一つにつなげておくこと。

紙でもスマートフォンでも構いません。

そして病院や薬局へ行くときには、できるだけ確認できるようにしておく。

特に救急受診や災害時など、自分で薬の名前を説明できないときにも役立つことがあります。


50代ではまだ「薬局なんてどこでも同じ」と思うかもしれない

今は、自分で車を運転できます。

薬の名前も覚えられます。

病院にも一人で行けます。

だから、

「薬局は近いところでいい」

と思うかもしれません。

もちろん、それでもいいのです。

ただ、10年後、20年後は少し違うかもしれません。

薬が増える。

通院先が増える。

薬の管理が面倒になる。

病院へ行くこと自体が大変になる。

そんなとき、

自分の薬のことを継続して相談できる場所

があると心強くなります。


薬局では、薬をもらわない日でも相談できる

これも知っておいてほしいことです。

薬局は、

処方箋を持っているときしか入ってはいけない場所ではありません。

例えば、

「家にある薬をどう整理したらいい?」

「市販薬はどれを選べばいい?」

「このサプリメントと薬は一緒に使える?」

「薬を飲む時間を間違えた」

「最近、飲み忘れが増えてきた」

そんなことも相談できます。

薬を受け取って帰るだけでは、少しもったいない。

せっかく身近に薬剤師がいるのですから、使えるものは使ったほうがいいと思います。


親の薬を見るようになる年代でもある

50代になると、自分の薬だけではありません。

親の薬について考える機会も増えてきます。

実家へ行ったら、大量の薬が置いてある。

同じような薬がいくつもある。

いつ飲んでいるのか本人もよく分かっていない。

そんなこともあります。

「ちゃんと飲んでよ」

と言うだけでは解決しないこともあります。

飲み忘れる理由。

飲みにくい理由。

管理できない理由。

そこを一緒に考える必要があります。

そんなときも、薬局に相談できる場合があります。

50代からの薬局との付き合いは、

自分のためだけではなく、親のためにもなる。

これは、この年代ならではだと思います。


将来、薬局へ行けなくなったら?

さらに先のことを考えてみます。

70代、80代になったとき。

自分で薬局へ行くことが難しくなるかもしれません。

現在は、患者さんの状態や条件などに応じて、薬剤師が自宅などを訪問し、薬の管理や服薬について支援する仕組みもあります。

今すぐ必要ではなくても、

「薬局には、そういう役割もある」

と知っておくだけでいいと思います。

医療も介護も、元気なときには必要性を感じません。

でも必要になったとき、知っているか知らないかで動きやすさは変わります。


和歌山へ移住したら「自分の薬局」を探してみる

移住すると、

スーパーを探します。

美容院を探します。

お気に入りの飲食店も探します。

それと同じように、

「自分が相談しやすい薬局」

を一つ見つけておいてもいいと思います。

自宅から通いやすい。

説明が分かりやすい。

質問しやすい。

自分が飲んでいる薬をまとめて確認してくれる。

そんな薬局です。

「有名な薬局」を探す必要はありません。

長く付き合えるかどうか。

それが一番大切だと思います。


住んでわかった、和歌山。

50代からの暮らしでは、医療との距離が少しずつ近くなってきます。

でも、それは悪いことではありません。

病院へ行く。

薬局で薬を受け取る。

それだけではなく、

自分の体を長く維持するために、医療を上手に使う。

そんな考え方に変えていけばいいのだと思います。

薬が増えてきたら。

薬が余ってきたら。

飲み方が分からなくなったら。

市販薬を買おうか迷ったら。

一人で悩まず、

「薬局で聞いてみよう」

と思い出してみてください。

50代から見つけておいた「いつもの薬局」が、10年後、20年後には、思っている以上に身近な存在になっているかもしれません。


次回|医療・健康 第5回

「50代になったら健康診断だけで大丈夫?和歌山で考える『健診+がん検診』」

毎年、会社の健康診断を受けているから大丈夫。

そう思っていませんか?

でも、「健康診断」と「がん検診」は同じものではありません。

50代になると気になってくる、血圧、血糖値、コレステロール、そしてがん。

次回は、元気な今だからこそ受けておきたい検査について考えます。

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