第1回:50代から考える「親との暮らし」|和歌山移住という選択肢

【親と暮らす|第1回】

50代になると、これまであまり考えてこなかったことが、少しずつ現実になってきます。

そのひとつが、親のこれからです。

「最近、親の足腰が弱ってきた気がする」

「車の運転をいつまで続けられるだろう」

「離れて暮らしているけれど、このままでいいのかな」

まだ介護が必要なわけではない。

でも、何となく気になる。

そんな時期が、50代にはやってきます。

そして私自身、58歳で和歌山へ移住して暮らしてみて感じるようになりました。

親とのこれからを考えることは、自分たち夫婦のこれからを考えることでもある。

今回は、「親と暮らす」というテーマについて考えてみたいと思います。


「介護が必要になってから」では遅いかもしれない

親のことを考えるきっかけは、何か大きな出来事とは限りません。

久しぶりに実家へ帰ったとき、

「歩くのが少し遅くなったな」

「同じ話をすることが増えたかな」

「庭の手入れができなくなってきたな」

そんな小さな変化に気づくところから始まります。

ところが、その時点では親も元気です。

「まだ大丈夫」

「自分たちでできる」

そう言われると、こちらも、

「まあ、まだ大丈夫かな」

と思ってしまいます。

でも、本当に考えておきたいのは、むしろこの時期なのかもしれません。

介護が必要になってからでは、住む場所や生活環境をゆっくり選ぶ余裕がなくなることがあります。

元気なうちだからこそ、選択肢があります。


「親と暮らす=同居」ではありません

私も以前は、「親と暮らす」と聞くと、

同じ家で一緒に生活すること

をイメージしていました。

でも実際には、それだけではありません。

同じ家で暮らす「同居」。

徒歩圏内に住む「近居」。

車で10〜20分程度の場所に住む。

同じ市内に住む。

いろいろな形があります。

むしろ、親も子も元気なうちは、

「近すぎず、遠すぎず」

くらいがちょうどいい場合もあるのではないでしょうか。

何かあればすぐ行ける。

でも、普段の生活はそれぞれ。

この距離感なら、お互いの自由を保ちながら暮らせます。


和歌山で暮らして感じる「距離」のメリット

和歌山へ移住して感じたことのひとつが、生活圏が比較的コンパクトなことです。

もちろん住む地域によって違いますが、和歌山市内なら、車を使えば買い物や病院など日常生活に必要な場所へ移動しやすい地域があります。

これは、親との暮らしを考えるときにも重要だと思います。

例えば、

親の家から自分の家まで車で10分。

親が通う病院まで15分。

スーパーまで5分。

そんな位置関係なら、毎日一緒に暮らさなくても、

「ちょっと様子を見に行こう」

ができます。

この**「ちょっと行ける距離」**は、想像していた以上に大きいと感じます。


大阪と和歌山という選択肢もある

親子が必ず同じ街に住む必要もありません。

例えば、

子ども世代は大阪で仕事を続ける。

親は和歌山で暮らす。

あるいはその逆。

大阪と和歌山は、場所を選べば電車や車で行き来できる距離です。

毎日の通勤となれば条件をしっかり考える必要がありますが、週末や必要なときに行き来するという考え方なら、選択肢になり得ます。

「東京と和歌山」のような距離とは、少し感覚が違います。

離れて暮らしながら、必要なときには会いに行ける。

そんな暮らし方もあります。


親を呼ぶのか、自分が戻るのか

これは難しい問題です。

親に和歌山へ来てもらう。

自分たちが親の近くへ移住する。

どちらが正解ということではありません。

親には親の生活があります。

長年付き合ってきた友人。

かかりつけの病院。

近所の人。

行き慣れたスーパー。

こうしたものは、年齢を重ねるほど大切になってきます。

「家だけ移せばいい」という話ではありません。

だからこそ、

親がまだ元気なうちに話しておく。

これが一番大切なのだと思います。


50代は「親」と「自分」の両方を考える時期

そして、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。

親の老後を考えている私たち自身も、50代です。

10年後には60代。

20年後には70代。

つまり、

「親をどうするか」

だけを考えているわけにはいきません。

自分たち自身も、

どこで暮らすのか。

家をどうするのか。

車をいつまで運転するのか。

病院へどう通うのか。

老後のお金をどうするのか。

考え始める時期に来ています。

だから私は、

親との暮らしを考えることは、自分たちの老後を少し先取りして考えること

なのだと思っています。


「まだ早い」と思う今が、考えどき

親が元気なら、

「そんな話はまだ早い」

と言われるかもしれません。

でも、何かが起きてから慌てて決めるより、

元気なうちに、

「将来どうしたい?」

と話しておく。

それだけでも違います。

同居する必要はありません。

今すぐ引っ越す必要もありません。

まずは、

親はこれからどんな暮らしをしたいのか。

そして、

自分たちはこれからどこで、どう暮らしたいのか。

それを考えてみる。

50代からの和歌山暮らしには、そんな視点もあっていいと思います。


今回のまとめ

「親と暮らす」というと、すぐに介護や同居を想像してしまいます。

でも、本当はもっと手前から始まっています。

元気な親と、これからどんな距離で暮らすのか。

同居、近居、同じ市内、週末に行き来できる距離。

選択肢はいくつもあります。

そして、選べるのは、親も自分も元気な今なのかもしれません。

和歌山で暮らし始めてから、私はそんなことを考えるようになりました。

次回は、もう少し具体的に、

「親との同居と近居、どちらがいい?実際に考えておきたい距離感」

について考えてみたいと思います。

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